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エモい考えをまとめるとこ。

【供養】ゲストハウス滞在記

 昔、書いた日記ともいえない散文が、インターネットの海の中を漂っていたので、ここに拾い集めて、供養したいと思う。

 どうやら3年前から、文章を書くと自然と村上春樹っぽくなる病気にはかかっていたようだ。

 東京のはずれの小さなゲストハウスに住んでいる。

 家賃は25000円、水道代は無し、部屋は大きなリビングと静かな勉強部屋があって、屋上にはベランダがついてる。なかなか居心地がよくて、もうここに住んで2ヶ月になる。ここにいるといろんな人のライフスタイルが見えて楽しい。普通の観光で来た外国人だけじゃなくて、世界を転々としてるバックパッカーや、何してるかわからないおじさん、大企業で働いてるITお姉さん。

 毎日、ゆるくゆるく生活してる。リビングに人が集まれば、いつのまにか宴会が始まってるし、気づけばそれが鍋会やらBBQになってたりもする。何よりも仕事で疲れて帰ってきた時に、おかえりなさいって言ってもらえる。そういう場所があることにものすごく安心感がある。(家庭を持った父親が強いのはこういうバックボーンの強さなんだと思う。別の話だけど)

 今日は世界を旅してるある職人さん(といってもかなり若い)とお別れしてきた。日本で仕事をおえたので、次の目的地はインドなんだと。彼の滞在期間はたった一ヶ月程度なんだけど、とても長く一緒にいた気がする。ここの時間の密度は本当に濃い。昨日は朝までお酒を飲み交わして、どんなにつらくても生きてさえいればなんとかなるよ、という言葉をかけてもらった。

 年間3万人が自殺する絶望と幸福の国で、どうしても嫌になったら、世界を旅しよう。仕事に追われて精神を病むなら、そういう生き方もあるんだって知っている。このことはいつかきっと役に立つ。そういうことなんだと思う。

 彼が出かけるとき固い握手をした。次はいつ会えるかわからないけど、なんとなくまたいつか会えるんだっていう気持ち。少しさみしくなるなと思いながら、ベランダの屋上で、そろそろ始まる本格的な寒さに、体を震わせながら煙草を吸ってる。

 次はどんな人と出会えるかな。

 後日談、このお兄さんとは未だに交流があって、海外で出会った方と結婚していまでは子供もいる。この間、見せてもらったけど、すごくかわいくて小さくて素敵なお子さんだった。あのお兄さんにそっくりだった。

 ITお姉さんは相変わらず元気だし、バックパッカーのお兄さんとも海外に行く約束をしてる。僕が出会った中で最も変でおもしろくて最高に良いやつのアメリカ人とは、彼が弾丸ツアーで日本に来て(滞在時間わずか3日)しこたま酒を飲んで、たくさん都内を連れ回して、また来いよ!と元気に送り出してやった。

 ここを出てもう3年になるけれど、いまだにここで出会った人たちとは交流が続いている。

まさしく、僕の東京生活の原点といえばここだ。